コーヒーの抽出
おいしいコーヒー豆なら、どんな淹れ方をしても、おいしいわけではありません。
けれども、「おいしく淹れるコツ」をマスターすれば、
どなたでも簡単においしいコーヒーを淹れることができます。
ほんのひと手間で、驚くほどおいしくなりますよ。
ペーパードリップの抽出
ここでは、ペーパードリップを使ったコーヒーの抽出方法をご紹介します。
メタルフィルターを使う場合も、淹れ方の手順に違いはありません。
準備するものは、新鮮なコーヒー豆と、カップ数にあった大きさのフィルター、フィルターをセットするドリッパーです。
コーヒーを受けるガラスサーバーがなければ、1杯分なら、カップの上にドリッパーをのせてもかまいませんし、
耐熱性の目盛りがついた計量カップも代用できます。
水は浄水器を通したもの、またはミネラルウォーター(軟水)を使うと、おいしくなります。
水道水を使う場合は、一度沸騰させて、充分にカルキを飛ばしてから使いましょう。
お湯を注ぐポットは、注ぎ口が細いタイプが、お湯の量やスピードを調節できるので使いやすいです。
①ペーパーフィルターの角を互い違いに折り曲げます
ポットに汲みたての新鮮な水を沸かします。できたら浄水器を通した水がベストです。
②計量した粉をペーパーフィルターにいれて、ドリッパーにセットします
粉は平らにならしておきます。サーバーやカップをあらかじめお湯で温めておきます。
③第1湯めは、粉の中央から外に向かって注ぎます
「の」の字を書くように粉全体にお湯が行き渡るように注ぎます。
サーバーにお湯が数滴落ちるくらいのお湯の量が目安です。そのまま30秒ほどおいて蒸らします。
④第2湯めも中央から外に向かって注いでいきます
お湯がすべて落ち切らないように注ぎ足していきます。
お湯を注ぐときは、フィルターに直接お湯がかからないようにします。
フィルターに直接お湯をかけると、お湯がコーヒー粉の層を通らず、うまく抽出できないため、
コーヒーの粉とフィルターが接する部分にできる粉の壁を壊さないように、中央部分に注いでいきます。
⑤人数分のコーヒーが抽出ができたら抽出完了です
ドリッパーのお湯が落ち切る前にはずします。
残った泡の中のえぐみを入れないためです。
ドリップ式で重要な「蒸らし」
蒸らしというのは、最初にお湯を注ぐときに、コーヒーの粉全体にお湯をしみこませるように、
少しのお湯を静かに注いで、30秒くらいそのまま置くことをいいます。
注ぐというよりも、粉の表面にお湯をのせるような感じです。
ペーパーフィルターに直接お湯がかからないように、ふちを避けて、粉の中央部分に注ぎます。
蒸らしのお湯の量は、粉全体にお湯がしみこむ量で、カップやサーバーに、コーヒー液が数滴落ちるくらいが理想です。
粉全体にお湯がしみわたると、温められることによって、蒸気で蒸されたような状態になり、
コーヒーの香りや旨みを引き出す準備ができるのです。
コーヒーメーカーの場合も、蒸らし作業をするかしないかで、驚くほど味わいが変わります。
たいていのコーヒーメーカーには蒸らし機能はついておらず、いったんお湯が出始めたら、
最後まで出続けて抽出が終わってしまい、香りや味わいを十分に引き出すことができません。
そこで、コーヒーメーカーの電源を入れると数秒後にお湯が出始めますから、
粉全体にお湯がしみわたるくらいの量になったら、一度電源を切ります。
お湯が出続けるのを止めて、そのまま30秒くらい待ち、蒸らしを行います。
それから、もう一度電源を入れて、お湯がなくなるまで待てば、できあがり。
コーヒーメーカーによって、電源を入れてからお湯が出始めるタイミングが異なりますから、
何秒後に電源を切るかを調整してみてください。