サステイナブルコーヒー
およそ40億年前、地球に生命が誕生しました。
しかし、我々現代人と同じグループの人類が生まれたのは、たった20万年前のことです。
それまでの間、多くの生命が誕生し、様々な変化、進化と後退を重ねてきました。
そして、さらに20万年の時と変化を経て、今のあなたにたどり着いているのです。
私たちは、たくさんの命が積み重ねられることで生まれてきました。
そして、多くの生命に支えられて生きています。
たとえば、日々の食卓に並ぶ肉や魚、米や野菜。
衣服に使用されている綿や麻、蚕の紡ぐ繭から採取されるシルク。
シャンプーや化粧品に使われる動植物性由来成分。
植物から抽出した物質で作られる医薬品。
家や家具を作るのに使われる木々。
車を走らせるために必要な石油。
もちろん、人間だけでなく、すべての生命が、支え合いながら存在しています。
命の源となる水。
水が土を潤し、木々や草花を育みます。
そこは、生きものたちの「すみか」となります。
生きものたちの廃棄物が土壌を豊かなものにし、木々の糧となります。
木々はやがて森林へと成長します。
森林が雲を生み出し、恵みの雨を降らせます。
雨がまた土を潤し、川となり、そして海となります。
人も、この「生物多様性」といわれる、素晴らしいチームの一員です。
それがいつしか、地球に甘え、人間以外の生命に甘え、
恩恵を受け取るばかりになってしまっていたのです。
地球に恩返しをしなくなった今、人間の手によって、
20分に1つの生物種が絶滅していると言われています。
今こそ、私たちは地球に、生命に感謝しなければなりません。
今まで、受け取るばかりだった恩恵に対し、恩返しをしなければなりません。
明日へ命をつなぐために。 未来を子どもたちに残すために。
コーヒーは、石油に次いで、世界で2番目に取引額が大きい一次産品です。
コーヒーは、世界に大きな影響を及ぼすことができるはずです。
一杯のコーヒーに、明日を見る。
そう、明日の地球を守るのは、私たち一人一人なのです。
サステイナブルコーヒーとは
サステイナブルコーヒーとは、現在のことだけではなく、未来のことも考えた上で、自然環境はもちろん、
生産現場の人々の生活を含めて、よりよい状態に保つことを目指して生産され、流通したコーヒーの総称です。
「サステイナブル」のもともとの意味は「維持・継続できる」という意味です。
環境破壊せずに継続できる、資源を枯渇させることなく利用できる、野生生物を絶滅させない、などの意味で使われています。
環境保護団体を含む様々なNGO団体は、地球レベルでのサステイナビリティーを目指しており、アプローチは多岐にわたります。
・生産地域の自然環境の保護や再生
・減農薬、無農薬栽培の推進
・生産者の収入の安定化
・トランスパレンシー(お金の流れの透明性)の確保
・農園労働者の人権保護や生活環境の改善
・トレーサビリティー(生産履歴)の確保
それぞれが重視事項やカバー範囲に特徴があり、現在活動している団体のいくつかは、サステイナブルコーヒーに着目しています。
ミッションや活動の中にコーヒーを取り入れ、持続可能なコーヒー生産「サステイナブルコーヒー」の普及、啓蒙活動に力を入れています。
コーヒーと環境保護、一見すると結びつかないかもしれません。
あまり知られていないかもしれませんが、コーヒーは数少ない、日陰で育つ農作物です。
そして、コーヒーの生産地の多くは、生態系が破壊の危機に瀕している「生物多様性ホットスポット」内に位置しています。
そのため、栽培方法や場所の選択が、環境に重大な影響を与えることになります。
適切な農法や土地利用を行えば、コーヒー栽培が、環境保全に大きく貢献することができます。
森の木々の下に、日陰で育つコーヒーを植えることによって、
地元で生活する人たちは、生活を支えてくれる換金作物としてコーヒーを育てながら、森を守っていけるようになります。
コーヒーがもっともよく育つ、熱帯地域。
そこに息づく絶滅危惧種の生息環境を維持しながら、森を守り、
地元の人々の自立した生活を促すパートナーとして、コーヒーが育てられているのです。
サステイナブルコーヒーと認証コーヒー
サステイナブルコーヒーに力を入れて取り組んでいるNGO団体は、それぞれの理念に基づいて、
独自に定めた基準を設けており、審査によって基準を満たした農園に対して、認証を与えています。
認証団体の基準を満たして認証されたコーヒーとは